鋳波島について

ABOUT

「鎚の音がいまにも聴こえる。」

鋳波島ビジュアル

本土から約25キロ沖、瀬戸内海に浮かぶ小さな離島、鋳波島。千年以上の歴史を誇る金細工の島として知られるこの島には、現在も約3000人が暮らしています。

潮風に抱かれながら、代々受け継がれてきた職人の技と、豊かな自然が調和する場所
——それが鋳波島です。

鋳波島は瀬戸内海から本土の諸地を結ぶ海上交通の中継地として、弥生時代後期には既に海運のさかんな交流があったことが知られています。

この時期には、後に島伝統の金細工へと繋がる砂金の採取が行われていたとされ、島で発見された5世紀末の製鉄炉と見られる遺構からは、日本における最初期の金属製錬技術があったと考えられています。

伝統と自然が織りなす、
鋳波島の夏の魅力

鋳波島の夏の魅力ビジュアル

鋳波島の魅力を最も色濃く体感できるのが、毎年8月中旬~9月上旬に開催される「夏来祭(なつきさい)」です。

例年、夏来祭は7月中旬~8月上旬に神社で行われる前祭からはじまります。静かに灯る火とともに、島の神職たちが古くから伝わる祈りの言葉を唱え、ひと月かけて島全体が祭りの高まりへと向かっていきます。

そうして迎える本祭の日には、港町の中心・鋳波町に屋台が立ち並び、子どもたちの太鼓や踊り、色とりどりの浴衣姿が町を彩ります。夜には海沿いに灯籠が並べられ、やわらかな灯りが波間に揺れるなか、奉納花火が夜空を彩り、島の夏は静かに幕を閉じていきます。

島のもうひとつの魅力は、豊かな自然と、そこに根差した暮らしの風景です。金細工の歴史を今に伝える工房や、海辺の浜で行われる遠泳大会、灯台の見える公園での花見まつりなど、季節ごとに移ろう表情が、訪れる人の心をやさしく揺らします。

潮風の匂い、山の緑、町のざわめき、そして祈りの響き。そうしたすべてが、静かに、けれども力強く、鋳波島という場所を形づくります。伝統と自然が織りなす時間のなかで、あなただけの島の記憶を見つけてみませんか。